高校生のための金曜特別講座

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東京大学教養学部では、
高校生と大学生を対象とした公開講座を開講しています。

「高校生と大学生のための金曜特別講座」
 ――進路選択に悩む若者たちへ

 東大駒場キャンパスには、高校生・大学生向けの公開講座がある。
「高校生と大学生のための金曜特別講座」だ。

講義風景

 金曜の夕方、渋谷に近い駒場キャンパスに高校生たちが続々と集まってくる。なかには小学生や中学生、他大学の学生もいる。約200人もの熱気に満ちた会場では、東京大学の教員が自らの専門分野の面白さをわかりやすく伝え、将来に向けた展望を描き、60分間の熱い講義を行う。また、若者たちの進路選択の一助になればという想いから、なぜ自分はこの道を選んだのか、自分はどんな高校生・大学生だったのかを語る。講義後30分間の質疑応答では、高校生や大学生たちからの質問が矢継ぎ早に投げかけられる。この講義は北海道から沖縄までの50以上の高校にもリアルタイムで配信しており、全国の高校生たちからの問いかけが負けじと会場に響く。教員も驚くような鋭い質問の数々に、高校生同士、刺激を受けているようだ。講座にはかつての高校生や大学生たち(現在は社会人の方々)も来場しており、若者たちの真剣な眼差しを頼もしく見つめている。講義が終了した後も、教員に直接質問をしたい高校生たちが列をなし、この機会に自分の進路について相談する人もいる。そして教員も、高校生たちから大きな活力を得て、興奮気味で会場を去る。

 2002年に始まったこの講座(「金曜講座」と省略)は、東京大学の正規授業とは別に、駒場キャンパスの教員が運営してきた。2019年までに既に400回以上開講され、関連書籍が11冊刊行されている。講義内容は文系から理系まで多岐にわたり、高校までに習う科目の垣根を越えた分野(たとえば文理融合分野や生物物理学など)の講義もある。最近の講座で扱った話題は、アメリカ外交、英文学、言語学、思想史、源氏物語、人工知能、iPS細胞、バイオテクノロジー、スポーツ科学、タイムマシン、ニュートリノ、放射線、8K映像、ルベーグ積分など。受講者が文系・理系のどちらであっても理解できるように講義しているため、文理を問わずに受講できることも講座の魅力となっている。大学や大学院でのさまざまな学びや研究の様子に触れることは、高校生や大学生が将来を思い描くうえで大いに参考となるだろう。特に、自分は将来どこへ向かうべきなのかについて思い悩む若者たちは、ぜひ金曜講座に参加してほしい。

進路選択のための教育

 高校生たちは多くの場合、自分が何を専門とするのかを大学受験までに決めなければならない。しかし、高校までの基礎教育と、大学からの専門教育のあいだに本来存在するべき「進路選択のための教育」は、果たして十分に行われてきたのだろうか。高校生や大学生が自分に合った進路を見つけ、自らの選択に自信を持って専門教育を受けるためには、「進路選択のための教育」をさらに充実させる必要があるだろう。

 東京大学には独自の進学選択システムがある。まず新入生たちは全員、駒場キャンパスにある教養学部で最初の2年間を過ごし、文系から理系までの幅広い学問を身に着ける。そしてこの2年間を通してじっくりと自分の進路を見極め、大学3年時に諸学部の諸学科に進学して、そこから専門教育を受けることになる。文系で入学した学生が理系に転向することや、その逆も珍しくはない。これは大学受験までに進路を決めることの難しさを物語っているだろう。

 教養学部の教員は、喜びに目を輝かせて東大に入学した学生たちが、将来、多方面で活躍することを期待しながら、最先端の研究成果に基づく教養教育を展開している。そして学生たちの進路選択の参考となるように、自らの研究分野の魅力や夢を語る。時には、学生たちの相談にのり、親身に語りかけ、手厚いサポートをする。そのような教員だからこそ、進路選択に悩む高校生たちに伝えたいことがある。若者たちが自分の夢や生きがいを見つけるための手助けをしたいと、心から思う。

 今後も金曜講座では、高校生と大学生の進路選択の参考となるような講義を続けていく。金曜講座の会場とスケジュールは、講座のウェブサイト(http://high-school.c.u-tokyo.ac.jp)でご確認いただきたい。遠隔地の高校へのインターネット配信も随時受け付けている。


(「高校生と大学生のための金曜特別講座――進路選択に悩む若者たちへ」(東京大学教養学部 編『東京大学駒場スタイル』(東京大学出版会)より)

金曜特別講座の経緯

講義風景

 東京大学教養学部における高校生を対象とした公開講座は、2002年4月に始まりました。

 開催のきっかけは、高校の週5日制の実施に伴って、休日に高校生を対象とした公開講座を開講してほしいとの要望を近隣の高校から受けたことによるものです。

 最初は「高校生のための土曜特別講座」として、高校生および一般の方を対象に土曜日の午前中に開講していました。2003年10月からは「社会連携プログラム『21世紀を生きるための知』」として金曜日の夜に開講されるようになり、2004年4月から「高校生のための金曜特別講座」として実施しています。2008年度からは、東京大学生産技術研究所との共催となりました。2005年度から2009年度には教養学部に設立された教養教育開発機構の社会連携部門(株式会社ベネッセコーポレーションによる寄附講座)が運営を担当しました。なお、金曜講座の責任母体は教養学部社会連携委員会です。

 参加者は高校生が中心ですが、下は小学生から上は80代まで幅広い年齢層の方が参加しています。2019年度まで(駒場会場で開講していた頃)の参加者の構成比は、おおよそ高校生6:大学生1:一般の方3でした。大学生は東大に限らず、さまざまな大学の学生が参加していました。

 この講座では、高校生のみでなく大学生にも進路選択の参考となる講義を行っており、これまでも高校生と大学生の両方が参加していたことから、2018年4月に「高校生と大学生のための金曜特別講座」に名称を変更いたしました。引き続き、多くの高校生と大学生の皆様のご参加をお待ちしております。

 遠方にお住まいの高校生のために、オンライン会議システムによる遠隔講義を実施しています。双方向通信のため、配信先の高校からも鋭い質問が連発され、東京の会場にいる高校生たちにも大きな刺激になっています。詳しくはこちら

 2020年度夏学期からは、コロナ禍のため、オンライン配信のみで開講しています。高校生たちが自宅から受講できるように配信方式を変更したため、全国の高校が休講になった2020年5月には、約5000名の高校生が、それぞれの自宅から金曜講座に参加しました。2021年夏現在、全国の380以上の高校(日本の全高校の7.8%に相当)と協定を締結して配信しており、毎回平均1000名ほどの高校生たちが参加しています。このような遠隔教育は、Society 5.0時代における新たな高大連携教育のかたちと言えます。

 なお、2021年4月に本学に入学した新入生約100名に聞いたところ、約4割が金曜講座のことを知っており、約1割が金曜講座を受講した経験があると回答しました。

 金曜講座は社会人へのリカレント教育にも有用なため、社会人に向けたオンライン配信も開始しています。現在は試行的に、東大駒場友の会会員に向けて配信しています(2022年度以降の対応については未定です)。

 これまでの講義は書籍となっています。詳しくはこちら

ご寄付・ご協力の紹介

 講座の運営には次の皆様からのご寄付・ご協力を得ています。
深く御礼申し上げます。


【ご寄付をいただいた皆様】

  • ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
  • AIGイースト アジア ホールディングス マネジメント株式会社
  • 株式会社フロムページ
  • 株式会社ベネッセコーポレーション
  • 一般社団法人 東大駒場友の会

【ご協力をいただいた皆様】

  • 日本マイクロソフト株式会社

主催・共催・協賛

【主催】

  • 東京大学教養学部

【共催】

  • 東京大学生産技術研究所

【協賛】

  • 一般社団法人 東大駒場友の会

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