東京大学 教養学部 教養学科・准教授
【講義概要】
詩を学ぶことが何かの役に立つとは考えづらいかもしれません。しかし、儒学の経典には『詩経』が存在し、孔子も統治者の教養として詩を重視していました。 『詩経』の中の詩篇には、道徳的な観点から見れば問題のある男女関係を詠じたものも見られます。 この講義では、朱熹・伊藤東涯・荻生徂徠といった儒学者たちが、必ずしも道徳的に正しい内容ばかりではない詩を学ぶことの意義をどのように論じていたのかについて、彼らの『論語』解釈を題材に考えてみたいと思います。