

東京大学 教養学部 教養学科・講師
【講義概要】
文系の中でも心理学や経済学は数学を駆使する理系寄りな分野ですが,実は,言語学においても数学は大活躍します。言語学は,言語に存在する様々なパターンを発見することを目指す学問分野です。そして,パターンの記述や発見には,数学が重宝します。たとえば,二次関数の微分で,ポケモンの名前と体重・体長の関係をあぶり出すことができます。対数関数を用いると,単語の頻度分布を直線で表現することができます。単語をベクトルで表すと,意味の近さを内積で測ることができます。条件付き確率を応用すると,迷惑メールの検出が可能になります。本講義では,高校数学プラスαで理解できる様々な事例を扱い,言語の計量的研究の面白さを感じてもらえたらと思います。