放射線の科学 《環境放射化学・放射線生物学》

  1. 日時:2011年11月18日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

*東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系
**東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系

<講義概要>

 3月の原発事故以来日本中で話題になっている放射線について、2回に分けて解説する。
 2回目は環境放射科学と放射線生物学。環境中の放射線をどのように測定するのかを解説し、また放射線によって生物が受ける影響について、これまでに知られていることを分かりやすく説明する。

《環境放射化学》
 福島第一原子力発電所の事故によって、核分裂生成物をはじめとした放射性物質が大量に環境中に放出された。本講座では環境中に存在する核種の測定法に触れ、アルファ線、ベータ線、ガンマ線の測定方法とその特徴を理解する。その後、福島第一原発の正門で実際に採取してきた試料や可搬型の測定器などを用いて、核種毎の環境中の挙動について分かりやすく解説する予定である。

《放射線生物学》
 原子力発電所の事故などに関わらず、生命は地球上に生きている限り宇宙空間や地殻などからの放射線にさらされている。そのため、生物は進化する中で放射線をある程度うけても立ち向かえる術を獲得している。その働きを高校の生物で学ぶ内容からスタートして解説したい。
 一方で、人類が大量の放射線をあびるという悲しい歴史がいくつかあり、その教訓から生まれたのが放射線量に関する安全基準として設定された数値となっている。

 今回の講義は11月11日の講義と連続した形で行います。11月11日の講義も受講していただくと、より理解が深まります。また、質疑応答には11月11日の講師も参加して、皆様からのご質問にお答えする予定です。

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