東京大学大学院 総合文化研究科 国際社会科学専攻
【講義概要】
国境を越える活動が拡大する一方の現代社会において、国際社会の法である国際法は、武力行使の規制、領土問題や海洋の境界画定から、環境保護、貿易・投資の促進、国際的な人権保障に至るまで、国家間で生ずる様々な問題に対して規律を及ぼしている。また、日本の国内法令を外国や外国人に対してどこまで及ぼすことができるかも国際法によって限界づけられているし、日本国憲法は国際法に対して法律に優位する効力を与えている。今日においては、国際法を抜きにしては国際関係のみならず国内における法的規律も十分に理解できないのである。では、国際法とはどのような法で、いかにして秩序を維持しようとしているのだろうか。この講義では、特に日本が関係する最近の具体的な実例を参照しつつ、この点を考えてみたい。
【キーワード】
国際法、国際紛争、裁判、犯罪処罰、秩序維持