歴史の謎をDNAで解きほぐす

  1. 日時:2015年10月2日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学大学院 総合文化研究科 生命環境科学系

【講義概要】

 DNA診断技術が進歩し、私たち個人の全ゲノムが数十万円で読むことが可能になっている。また、簡単なPCR法を用いることによって、微量なサンプルからDNAを増幅し解読することが実験室レベルでもできるようになった。この方法を用いて古代DNAから得られた知見が、歴史上の言い伝えとは異なった結果になった例を紹介し、DNA診断技術が歴史を変えた話をしたい。1つは有名な例だが、ツタンカーメンのミイラから採取したDNAよりその出自が明らかになった話であり、もう1つはロマノフ王朝最後の王と家族の物語である。講義中に、少し頭を使ういくつかのテストをするが、これにも是非参加していただきたい。実は私の専門は、遺伝子診断に用いられる「マイクロサテライト」と呼ばれる遺伝子中の繰り返し領域の異常による遺伝性疾患の解明なのであるが、最後に、このような最新遺伝子技術を用いて、今まで治療法がなかった難病とたたかう話をしたい。

【キーワード】

遺伝子診断、塩基配列、マイクロサテライト、古代DNA、遺伝性疾患の治療

【参考図書】

石浦 章一 著『頭が良くなる遺伝子はあるのか?』(静山社文庫)
石浦 章一 著『サルの小指はなぜヒトよりながいのか』(新潮文庫)
石浦 章一 著『狂気の科学』(東京化学同人)
ツタンカーメン王に関する書籍
ニコライ二世と家族に関する書籍

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