東京大学 大学院総合文化研究科 超域文化研究専攻 表象文化論研究室
【講義概要】
今回の対象はパリという都市です。世界各地の都市は、それぞれまったく異なった独特な歴史に基づいた独特の空間構成をもっています。都市はひとつの「生命体」のようにたえず自分を組み替えて自己組織していきます。そのような都市をどう読むか、それがひとつの課題です。「19世紀の首都」とも言われたパリがどのように構築されていったのか、その軸を追いながら、「都市を読む」方法を学びます。
またちょうど駒場キャンパスの
駒場博物館
で開催されている「〈終りなきパリ〉、そしてポエジー」という展覧会にちなんで、1960年代にスイス出身の画家/彫刻家アルベルト・ジャコメッティがパリ描いたスケッチをもとにしたリトグラフの作品も鑑賞しながら、パリという都市の空間の特質に迫ります。同時に、ジャコメッティという20世紀を代表するアーティストの仕事の意味についても考えたいと思います。都市空間が〈詩〉として現れてくるその現場についても触れることになるでしょう。講義のあとに、展覧会場でのミュージアム・ツアーも行う予定です。