ヒットラーユーゲントのバカヤロー! 愛憎の一高日独交流史

  1. 日時:2011年10月28日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系

<講義概要>

 明治維新後の日本に西洋文明が押し寄せる中、哲学・文学・医学などの分野でドイツの文物が好まれたことはよく知られている。その反面、条約改正交渉や三国干渉に見られる通り、ドイツは決して日本には好意的ではなく、第一次大戦では敵国同士として、日中戦争でも中国を介して戦い、防共協定や三国同盟の後にも裏切りと言ってよい仕打ちを行った。ドイツと日本の関係は、つれない美女と彼女に憧れる男(ストーカー?)のそれのようであったが、後者の中で前者への幻想(妄想?)をはぐくんだのは、旧制高等学校の教育や文化的土壌と、そこを中心に戦前期の日本に広く影響を及ぼした教養主義であった。本講義では、日独修好150年を記念して開催中の駒場博物館の展示を紹介しつつ、あまり広く知られてはいない、第一高等学校のドイツ語教育や科学・工学教育、課外活動などに見る日独文化交流の軌跡を辿る。

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