確率・統計モデル入門:ばらつきを計る

  1. 日時:2011年1月21日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻

<講義概要>

 A君のクラスでは毎週3名程度の欠席者がいるのが普通だが、ある週は6人も欠席した。風邪が流行り始めたのだろうか、それともこれくらいは通常の範囲内なのだろうか。B君のバイト先のハンバーガー店では大体10分に1台くらいの頻度でドライブスルーに車がやってくる。ところが、今日は立て続けに4台も来て、車が列をなしてしまい、客に文句を言われた。またこんなことがあったら店の評判が落ちると店長が心配している。この店長の不安は的中するだろうか。

 上の欠席者数や来店間隔は、偶然の影響を受けて変動する量であり、数学の言葉では「確率変数(random variable)」と呼ばれる。我々は、身の回りに様々な種類の確率変数を見つけることが出来る。本講義では、身近な例を題材にして、確率変数や確率モデルを通したものの見方・考え方を紹介する。その際、確率変数がどのようなばらつき方をするのかを調べることに焦点を当てる。例えば、欠席者数のばらつき方が分かれば、6人欠席することがどれくらい稀な出来事であるのかを知ることができる。

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