プラズモニクス:ナノメートルサイズの金属でさまざまな色と機能を出す

  1. 日時:2009年6月19日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門

<講義概要>

金、銀、銅などの金属はいわゆる金属光沢を持つことで知られるが、10〜100ナノメートルの粒子にすると、プラズモン共鳴という現象によって、様々な色を持つようになる。身近な例がステンドグラスで、その赤色には金、黄色には銀のナノ粒子が使われる。最近になって、こうした金属ナノ粒子が多彩な機能を持つことが明らかにされてきて、「プラズモニクス」という新しい科学分野ができつつある。たとえば、粒子どうしが近づくと色が変わるという性質を利用して、物質どうしの結合のしやすさを調べるのに使われる。また、光触媒で知られる酸化チタンを金属ナノ粒子と組み合わせると、エネルギーや情報の変換ができる。光エネルギーを電気エネルギーや電気信号に変える太陽電池や光センサ、光で化学反応を進める光触媒、光で画像を記録するフォトクロミック材料、光によって形が変わるゲル材料などがある。本講義では、金属ナノ粒子のユニークな性質、作り方、応用法などについて解説し、生まれたての科学分野に触れていただく。