日時:2006年10月20日 18時10分から 場所:11号館1106教室 |
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<講義概要> |
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森巻吉(1877-1939)の名を知る人は現在では多くはいない。しかし、少なくとも、東京大学のうち教養学部だけが本郷ではなく駒場にある事情については、森の名前に言及しないで説明することはできない。また、二つの世界大戦に挟まれたまだまだ自由で平和であった時代に、第一高等学校で青春を謳歌した人々の多くは、高校生活を思い出す度に、「モリケン」という愛称で親しまれた英語教師・名物校長のことも懐かしく思い起こしたに違いない。 この講義では、決して有名ではないが、自分の人生についてまじめに考え、その考えを実行に移して身の丈にあった生涯を送った人物、つまり森巻吉と、その周辺の人々(父親の森巻耳、師の夏目漱石など)との交わりを紹介しながら、明治・大正・昭和前期という時代がどのような手触りをもっていたのかを想像してみることとしたい。駒場キャンパスと博物館の展示は、そのためのよい手がかりになるものと思われる。 |
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