東京大学大学院農学生命科学研究科
【講義概要】
「バイオマス」は、生物という意味の「bio」と、資源を意味する「mass」が合わさった造語で、植物の光合成によって作られる有機物全体を指します。太陽エネルギーがある限り再生できる資源であり、石油や石炭などの化石資源をほとんど持たない日本が持続的に材料やエネルギーを工面していくために、大変重要な資源だと言えます。しかし、人類は未だに化石資源を大量に使うのにバイオマスをうまく使いこなせないのはなぜなのでしょうか?
私たちは、その答えを「きのこ」や「カビ」のようにバイオマスを自然界で実際に利用している生きている微生物に教えてもらおうとしています。「きのこ」や「カビ」が持っているバイオマスを効率良く分解できる「酵素」の研究を通して「人間はどのようにバイオマスを使えば良いか」を考えてみたいと思います。
【キーワード】
バイオマス,きのこ,植物細胞壁,セルロース分解酵素,カスケード利用
【参考図書など】
西谷和彦,梅澤俊明「植物細胞壁」(講談社)