合同式の話

  1. 日時:2016年9月30日 17時30分から
  2. 場所:東京大学教養学部18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院数理科学研究科

【講義概要】

整数aとbをnで割った余りが等しいとき,aとbはnを法として合同であるといい,このような整数の合同関係を表した式を合同式といいます.奇数と奇数の和が偶数であるというのは2を法とした合同式の計算例ですし,曜日は7を法として考えた概念です.このように,我々は合同式を既にいろんな場面で考えていますが,合同式は方程式の整数論的な性質を調べる際に役に立つことがあり,合同式の研究は整数論の主題の1つであると言えます.この講義では,素数pをひとつ固定して,方程式をpのいろいろなベキを法として考えたときの解について考えます.その際に,「整数の世界」を拡張した,「pのいろいろなベキを法として考えた数の列の世界」である「p進整数の世界」を紹介したいと思います.

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