時間とは何だろう:ゾウの時間 ネズミの時間

  1. 日時:2015年4月10日 17時30分から
  2. 場所:数理科学研究科大講義室(詳細はこちら

東京工業大学名誉教授

【講義概要】

 ネズミの心臓は早く、ゾウのものはゆっくりと打つ。ネズミは短期間で成熟して子を生み、寿命は短い。ゾウはその逆。ネズミは生活のペースが早く、ゾウはすべてにおいてゆっくりとしているのである。生活のペースを動物の時間と考えれば、ネズミの時間とゾウの時間は異なること言っていいだろう。体重当たりのエネルギー消費率を比べると、ネズミの方が格段に大きい。じつはエネルギー消費率と動物の時間の進む早さは比例するという経験則がある。なぜこのような経験則が成り立つのかを考えたい。また、この経験則は、社会生活の時間にも当てはまりそうなのだ。現代社会は、車やコンピュータや携帯電話などという機器を、エネルギーを使用して動かし、結局は時間を早めているのではないだろうか。そのような視点から、環境問題、資源エネルギー問題、さらに少子高齢化の問題について、批判的に眺めてみたい。

【キーワード】

動物の時間、エネルギー消費量、生物とは、現代人の時間

【参考図書】

本川 達雄 著『ゾウの時間 ネズミの時間』(中央公論社)

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