微分・積分の先にあるもの ―変分法入門―

  1. 日時:2016年2月5日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学大学院数理科学研究科

【講義概要】

 高校では y=f(x) と書かれるような関数の微分・積分を学びます。大学では z=f(x,y) と書かれるような多変数の関数の微分・積分も学びます。このように、関数とは、(いくつかの) 数を入力データとして与えたとき、1つの数を出力データとして返す装置であると言えます。
 これをさらに一般化して、入力データとして「数」ではなく「関数」や「グラフ」を与えたときに、「数」を出力として返すようなものを考えることができます。これを「汎関数」(はんかんすう) と言います。あなたはまだ知らないかもしれませんが、自然界や社会では、実は多くの汎関数が活躍しているのです。
 「変分」とは、汎関数を微分することに相当します。関数の性質を調べるのに微分がとても役立つように、変分は汎関数を調べるのに非常に重要な考え方です。
 この講義では、なぜ汎関数のようなものを考えるのか、変分にはどのような意味があり、どのような理論や応用があるのか等について、例を用いて入門的なことから解説する予定です。

【キーワード】

変分原理、多変数関数とその一次近似、汎関数、方向微分と連鎖律、オイラー・ラグランジュの方程式


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