戦後経済史のなかの原子力発電

  1. 日時:2016年1月29日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学教養学部附属教養教育高度化機構

【講義概要】

 皆さんは原発利用に賛成ですか、反対ですか。いずれの立場をとるにせよ、福島第一原発事故まで日本社会がどのように原発を推進してきたかをよく知ることが、今後の選択を考えるために大事ではないでしょうか。戦後GHQによって「財閥解体」が行われたと皆さんも社会の時間に学んだと思います。しかし実はその後、旧財閥の企業グループ化が進みました。そのなかで1955年ころから旧財閥系の5つの「原子力グループ」が設立されています。それらは、沸騰水型と加圧水型という2つの原子炉(軽水炉)を作る2つのグループとなり、全国の電力会社が建設する原子力発電所をそれぞれが順番に受け持つようになります。このことから、原発建設にはエネルギー供給だけでなく、産業政策としての側面があったことが伺えます。このような事実を踏まえると、推進派・反対派それぞれの立場にどのような示唆が得られるでしょうか。皆さんに問題提起したいと考えています。

【キーワード】

財閥解体、財閥再編、社長会、原子力グループ、軽水炉


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