電気抵抗∞(無限大)から0(ゼロ)へ:静電気で創り出す超伝導

  1. 日時:2014年6月20日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系

【講義概要】

 新しく作られる中央新幹線ではリニアモーターカーが使われることになりました。リニアモーターの実用化に必要不可欠なのが、低温で電気抵抗がゼロになる超伝導体です。ガラスのように電気を全く流さない絶縁体から銅線のような良導体、さらにゼロ抵抗の超伝導体まで、物質の電気抵抗は大きく変化します。こうした新しい物質開発研究は、日本が世界に誇る研究分野の一つです。
 本講演では我々が研究している「電場誘起超伝導」という新現象とこの手法による新物質開発について紹介します。半導体トランジスタは静電気力(電場)によって半導体の電気抵抗を制御するスイッチング素子です。我々は、このトランジスタを応用することで、電気抵抗∞の絶縁性の母物質の表面に抵抗0の超伝導を静電的に誘起することに成功しました。この電場誘起超伝導は今までの材料開発の常識を覆す革新的なものです。
 講演では超伝導という物理現象の面白さと、この研究が持つ将来性について紹介できればと思います。

【キーワード】

トランジスタ、半導体、超伝導、極低温

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