多細胞動物の出現とカンブリア爆発

  1. 日時:2014年4月25日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系

【講義概要】

 地球は高等生物が存在する唯一の天体です。その高等生物の出現につながる多細胞動物の出現と急激な多様化(カンブリア爆発)は生命・地球進化史においてもっとも重要なイベントです。また、生命の誕生は地球誕生後すぐ起きているのに対して、多細胞動物の出現は40億年も経た後の一度だけのイベントとされています。そのような重大かつ謎の多いイベントでありながら、その原因は未だ分かっていません。授業では最近の古環境解読の研究をふまえ、多細胞動物出現とカンブリア爆発がどのような環境で起きたのかを説明します。従来は酸素の増加が原因とされましたが、最近の研究では多細胞動物の誕生は比較的酸素の少ない海洋で起き、その後、海洋中の生命必須元素濃度の変化とともに、急激に多様化したことが分かってきました。そのような進化は多細胞動物出現時に必要な遺伝子は出そろっていたことを示唆します。

【キーワード】

生命進化、地球環境と生命の共進化、カンブリア爆発

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