化学から生物学、その融合領域で楽しむ

  1. 日時:2014年1月10日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系

<講義概要>

 iPS細胞に関する研究業績で京都大学の山中先生がノーベル賞を受賞したことをきっかけに、"(幹)細胞"という言葉がテレビや雑誌などを介して広く頻繁に紹介されるようになりました。"細胞"と聞くと生物学や医学の学問で、お医者さんや生物学者が研究しているという印象が強いかと思います。私は工学部出身で、学生時代は金属錯体や生体高分子を検出するための試薬(分子)開発の研究を行っていたのですが、現在は医療分野に貢献できる細胞に関わる研究を、自分の研究室をもって行っています。つまり、私の研究活動への入口・興味の対象は分子化学であり、化学者として培った経験と知識をもとに、医療や生命科学に関連する研究を展開しているわけです。このように、色々な分野が重なる研究分野のことを境界領域研究といいます。細胞の研究を行うためにも化学や物理、数学などの知識が必要なんです。
 金曜特別講座を聴講している学生さんの中には、将来、理系○○の分野の学者さんになりたいと思っている方も多くいるかと思います。本講演では、私の現在の研究内容に加えて、大学と大学院の関係、大学の理系研究室について、さらに私が工学部に入学、修士課程で学生結婚、博士を理学研究科で取得、その後の職歴などの私がこれまでたどってきた道筋もあわせて御紹介したいと思います。

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