地球型惑星の進化

  1. 日時:2013年11月15日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系

<講義概要>

 1990年代以降、月、水星、金星、火星の人工衛星による探査が活発に行われ、これらの惑星の活動、特に火山活動の全貌が明らかになりつつある。それによると、月では、38億年前頃活発であった月の「海」を形成した火山活動は、35億年頃までには一部を除き終息に向かったと推定されている。水星でも、火山活動の歴史は同様であったと思われている。これに対して、火星の火山活動はやや様子が異なる。全般的には、月・水星と同様およそ35億年前頃には火山活動は沈静化に向かったが、一部で地球のハワイの火山(ホットスポットと呼ばれる)とよく似た火山活動がごく最近まで続いた。これに対し、地球及び地球とほぼ同じ大きさの金星の火山活動の歴史は全く異なる。これらの惑星では最近の数億年間も地表面のかなりの部分を溶岩が覆うような活発な火山活動が起こっている。特に地球は、よく知られているようにプレートテクトニクスによってその活動を支配されている。このように惑星毎に異なった活動様式が現れるからくりを、その原動力となっているマントル対流の数値シミュレーションに基づいて統一的に解説する。

close