極低温での量子物理の世界

  1. 日時:2013年11月8日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系

<講義概要>

 金属は電気を通すけれど、抵抗があるので電気が流れれば発熱で熱くなる。液体はさらさら流れるけれど、粘り気があるので、流れれば摩擦熱で熱くなる。しかし温度を下げていくと、多くの金属が抵抗のない「超伝導」という状態になるし、液体の中には粘り気ゼロの「超流動」という状態になるものがある。それらは不思議な状態のような気がするけれど、温度を下げていくと実現するという意味では、その物質が本来とりたかった状態である。不思議な状態とは書いたけれど、超伝導や超流動を研究している人たちの頭の中には、「超伝導は液体というより固体みたいなもの、なにか『固い』もの」という単純なイメージがある。「固い」から抵抗がゼロになる? 「固い」からさらさら流れる?? この講義では、「超伝導状態」「超流動状態」に対して我々が持つ単純なイメージをみなさんに伝えたい。

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