アインシュタインの夢は叶うか ─究極の素粒子理論を求めて─

  1. 日時:2012年11月16日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系

<講義概要>

今夏、スイスとフランスの国境にある研究所のハドロン衝突型実験装置(LHC)での実験で、ヒッグス粒子発見の兆候が報告され、世界中の話題となりました。これが確定すれば、現在知られている素粒子の相互作用を説明する「標準模型」という理論の構成要素がすべて見つかったことになります。しかし、ほとんどの素粒子物理学研究者は、標準模型を完成品とは考えていません。理論的にまだ不満足な部分が残っているからです。特に重力を他の力と同じようには扱えません。ところで、重力の理論としてアインシュタインの一般相対性理論があります。アインシュタインはこの理論を作った後、当時知られていた素粒子の相互作用である電磁気力を、重力とともに統一的に説明する理論の構築に挑戦しましたが、成功しませんでした。電磁気力は今ではその後に発見された「強い力」と「弱い力」とともに、標準模型という形にまとまりましたが、重力との統一は今もなお難問として残されています。この難問の解決に最も有望な理論が超弦理論です。この究極の素粒子理論を目指す挑戦についてお話ししましょう。

close