錯覚体験が教えてくれる脳のメカニズム

  1. 日時:2012年4月27日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 生命環境科学系

<講義概要>

 最近は認知・脳科学ブームといわれ、私たちの脳が行う情報処理の解明が加速しています。なかでも、脳の感覚処理系がだまされて不思議な見え方をする錯覚現象は、自分で体験できて面白いばかりでなく、現場の研究者も重要なツールとして使っています。錯視現象は、何しろ変な見え方をするのは明らかですから、面白いは面白い。でも、なぜそれが認知・脳科学の研究ツールになるのでしょうか。私たちの脳がはたらいた結果、ある錯視現象が生じてしまうというのは、ミス、エラー、性能限界なのではなくて、わざわざそう見えるような計算がはたらいた結果なのだということです。その錯視がどう見えるのかをきちんと科学的に探っていけば、ふだんどのような原理で脳が計算を行っているか、を逆に解き明かせるかもしれません。そんな夢と希望をもって、研究者は錯視図形をいじくりながら、日々の実験を行っています。そのうえで、デモなどで皆さんに楽しんでいただけるのも楽しみなのです。

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