「憧れ」のハワイ、「今さら」のハワイ

  1. 日時:2012年4月20日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻

<講義概要>

 みなさんはハワイに行ったことはありますか。行ってみたいですか。
 ハワイは日本に住む人びとにとってもっとも身近な「外国」のひとつです。年間100万人以上が、常夏の太陽、爽やかな風、真っ青な空と海を求めてハワイへ向かいます。
 けれどもハワイは昔から日本人の観光地であったわけではありません。しかも今のように誰でも簡単に訪れることのできる手軽な目的地でもありませんでした。
 この講義では観光を軸にハワイの歴史を考えてみます。観光地の前のハワイには何があったのか、いつ頃から観光地として栄えるようになったのか、昔の日本人観光客は何を求めていたのか、今の観光客はどうなのか。このようなことを写真や観光雑誌などを取り上げ、ハワイの理解を深めると同時に、21世紀最大の産業とも言われる観光の社会的・文化的な意義について考えてみましょう。
 なお、講義の前に一般の旅行代理店に並んでいるハワイ観光のパンフレットを見ておいてください。そこにはどのような情報が含まれているでしょうか。写真には何が写っているでしょうか。つまり、ハワイがいかに描かれているでしょうか。このようなごく一般的な問いから始めて、観光を通して異文化について考える魅力と難しさに迫りたいと思います。

<参考文献>
矢口祐人『ハワイの歴史と文化』(中公新書)
矢口祐人『憧れのハワイ』(中央公論新書)
ハウナニ・ケイ・トラスク『大地にしがみつけ』(春秋社)

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