筋トレの科学

  1. 日時:2012年4月13日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 生命環境科学系

<講義概要>

 筋力トレーニング(筋トレ)は、今や高校生にとっても身近なものだと思います。では、筋トレをするとどうして筋肉が太く、強くなるのでしょうか?−あたりまえのようなことですが、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。世の中では、「筋トレで強い負荷をかけると筋肉が壊れ、そこに修復反応が起こって太くなる」というイメージで語られる場合が多いようですが、それほど単純な仕組みではありません。私たちのグループの研究から、もっと体にやさしい、軽い負荷を使っても、さまざまな工夫をすることで筋肉を強化できることが分かってきました。その代表例が、「筋発揮張力維持スロー法」(スロー筋トレ、スロトレ)です。力の発揮を維持した状態でゆっくりと動作を行うことで、筋肉の中のタンパク質合成が高まり、やがて筋肉が太く、強くなります。こうした方法は、お年寄りの介護予防やリハビリテーションなどにも有用です。この講座では、筋肉が太く、強くなるミクロな仕組みと、筋トレで効果をあげるポイントを、最新の研究成果に基づいてやさしく解説します。

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