コンピュータが将棋を学ぶと?

  1. 日時:2012年2月10日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール(詳細はこちら

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系

<講義概要>

 コンピュータが人間の知的な活動を理解して上手に真似るということは、人工知能の研究の一つの夢でした。最近、将棋の世界では、コンピュータが人間の棋譜を学んで人間以上に強くなるという目標が実現しつつあります。学ぶというのは、コンピュータに得意な丸暗記ではありません。未知の局面に概ね正しく対応できるような柔軟な考え方を身につけるために、沢山の棋譜を分析してコンピュータなりに咀嚼します。また、人間とコンピュータは考え方が違うので、将棋を学ぶ時にも駒の働きとか陣形といった人間が使う将棋の言葉は登場しません。代わりに、学んだ結果を何百万とか何億という個数の数値の列として表現します。この講義では、コンピュータのゲームの指し方は人間の思考方法とどう違うのか、将棋はなぜチェスなど他のゲームよりコンピュータにとって難しいのか、そして、人間の棋譜を学ぶとどのように良い手を指せるようになるのかをやさしく紹介します。

close