弱者の目から見た世界:中東キリスト教の歴史から

  1. 日時:2011年11月4日 17時30分から
  2. 場所:18号館ホール

東京大学 大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻

<講義概要>

 いま中東から北アフリカにかけてのアラブ世界では大きな変動が起きている。このアラブ世界は通常はイスラームの世界として認識されており、逆にキリスト教は主に欧米の宗教として認識されている。しかし、キリスト教というのは中東地域で興った宗教である。そして、その中東地域にはいまでも多くのキリスト教徒がいる。かれらはイスラームが広まった七世紀以降は被支配民として、そして時代が下るにつれてもともと住んでいた地域で少数派となりながらも、信仰を守り、生き延びてきた人々である。今回の授業では、このような中東地域のキリスト教徒がこの千年以上にわたって、少数派として差別され、ときには迫害を受けながら、どのように生き延びてきたのか、そして、現在どのような生活をしており、この数年来の変動の中でどのような立場に立たされているのかを見ていくことによって、少数派、弱者の立場から見たときに世界というものがどのように違って見えるのかについて考えてみたい。

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